学生の長期休みに合わせて販売される「青春18きっぷ」。実は学生だけに限られているわけではなく、どの年齢でも利用できるお得なきっぷです。
今日は、東京から青春18きっぷで行く、国宝「松本城」で有名な長野県松本市への日帰り旅のモデルコースをご案内します。
青春18きっぷのおさらい
ここでは、青春18きっぷについて簡単に説明します。
まずは今年の発売期間と利用期間です。
青春18きっぷは、JR普通列車に乗車できる5日分の切符です。5日分の内訳は自由で、5日分を一人で使っても良いですし、5人で1回ずつでもOKです。
5日分といってもきっぷは1枚で、1日の初めに改札を通るときにスタンプを押してもらう形です。券面には5日分のスタンプを押す箇所があります。

朝改札を通ったら、その日一日はJRの普通列車が乗り放題です。乗り降り自由、普通列車で行ける所なら時間の許すかぎりどこまででも行けます。
価格は12,050円 。単純に5で割ると1日分は2,410円です。たった2,410円で普通列車に乗り放題。そんな夢のある切符なので、ネットで検索すると 「1日分のきっぷでどこまで行けるか」「日本縦断」…など 18きっぷを使いこなす技もたくさん出てきます。
今日は、そんなを使っての東京出発の松本日帰りモデルコースをご紹介します。が、片道5時間前後かかるのでかなり過酷です。ゆっくり観光したい方、体力に自信がない方は迷わず1泊2日にすることをおすすめします。
ちなみに、東京~松本は普通列車でも通常片道4,070円ですので、たとえ松本に1泊して青春18きっぷを2回分使ったとしても2,410円×2となりますのでお得ですよね。
それでは、青春18きっぷの旅、スタートです!
「青春18きっぷ」で行く!東京~松本日帰りの旅モデルコース
- 東京駅→松本駅
- 12:30松本駅周辺でランチ
- 13:30旧開智学校
- 14:00松本城
- 15:30縄手通り・中町通り
- 17:00松本駅へ
- 17:30松本駅を出発、東京へ
東京駅→松本駅
普通列車で松本へ行くには、東京駅からJR中央線に乗ります。途中、最低1回の乗り換えが必要です。
最初にお伝えした通り、片道5時間前後かかるので、お昼前に松本に到着するには遅くても東京発7時前後の電車に乗らなければなりません。
また、山間を通る中央線では小さな駅も多く、途中下車してもお店がない場合もあります。途中休憩が必要であれば、なるべく大きめの駅を利用しましょう。
松本駅周辺でランチ。おすすめは信州そば!

松本駅に着いたら、まずはランチ。松本の 街歩きを始めると、井戸や湧き水が街中にあることに驚かれるかもしれません。山に囲まれた松本は、湧き水の街としても知られているのです。
水がきれいなところで美味しいものといえば、やはりお蕎麦。松本にも美味しいお蕎麦のお店がたくさんあるので、ぜひ味わってみてください。
旧開智学校

最初の観光スポットは、1873年創立の「旧開智学校」です。明治初期当時、洋風建築を真似て多く建てられた「擬洋風建築」の一つとして知られています。和洋折衷のデザインが特徴的で、地元出身の棟梁が上京時に見た建築物を参考にして建てたものだそうです。
今でこそ白壁が大変美しいですが、戦時中は空襲を免れるため壁を黒く塗ったのだとか。1963年に小学校としての役目を終えるまで、子どもたちと一緒に辛い時代を乗り越えてきたのですね。
2019年9月30日に、国宝に指定されました!学校建築としては初めてだそうです。松本に行ったらぜひ訪れてみてください。
令和3年6月から耐震工事が始まり、工事中は休館となります。開館は令和6年秋が予定されているそうです。
休館中は、隣接の県宝旧司祭館で旧開智学校校舎の紹介展示や旧開智学校ミュージアムショップの営業などが検討されています。ご旅行前に一度公式サイト等でのご確認をお願いいたします。
旧開智学校
- 松本市開智2丁目4-12
- タウンスニーカー北コース「旧開智学校」より徒歩約1分
- 0263-32-5725
- 9:00~17:00(最終入館16:30まで)
- 3月~11月:第3月曜日(休日の場合は翌日)、12月~2月までの毎週月曜日(休日の場合は翌日)、12/29~1/3
- 高校生以上:400円、中学生以下:200円
- http://matsu-haku.com/kaichi/
国宝「松本城」へ

黒漆で塗られた外壁が特徴の国宝「松本城」。五重の天守が現存するのは、「姫路城」、そしてこの「松本城」の2城のみです。青い空の下でその姿を仰ぎ見ると、その重厚さに思わず声が出てしまいます。
城内では松本城と関係の深い火縄銃や、古文書などの関係資料が展示されています。階段はかなり傾斜があり、手すりにつかまらなければ危険なほどです。しかし天守までたどり着けば、眼下に広がる松本の街と、遠くに見えるアルプスの山々。心地よい風が吹き抜け、「あ~、上って良かった!」と思いますよ。
※高齢の方や小さなお子様にはこの急な階段を上り下りするのはかなり難しいと思います。無理のない範囲でお願いいたします。
松本城
- 松本市丸の内4-1
- JR「松本駅」より徒歩約20分
- 0263-32-2902
- 8:30~17:00(最終入場16:30まで)
- 12/29~12/31
- 大人:700円 小・中学生:300円
- https://www.matsumoto-castle.jp/
縄手通り・中町通り
縄手通り

松本城を離れて向かうのが「縄手通り」。大正時代から続く歩行者天国で、食べ物屋さんや雑貨屋さんなど楽しいお店が軒を連ねる商店街です。
歩き始めて気づくのが、いたるところにカエルをモチーフにしたものがあること。この通り沿いを流れる「女鳥羽川」にかつて河鹿蛙(かじかがえる)というカエルがたくさんいたことから、カエルがマスコットとなったそうです。
散策にぴったりなのんびりとした商店街、ぜひぶらぶらしてみてください。
中町通り

女鳥羽川をはさんで縄手通りの反対側、さらに奥に入った通りにあるのが「中町通り」。かつて問屋街だった地域ですが、明治時代の大火後、土蔵に建て替えたそうです。現在も数多く土蔵が残っており、白となまこ壁のコントラストが美しい街並みを作り出しています。
この辺りはおしゃれなカフェも多いので、観光の合間のひと休みにもおすすめです。
salon as salon
- 松本市中央3-5-10-2F
- タウンスニーカー東コース「はかり資料館」より徒歩約1分
- 0263-34-1006
- 11:30~18:30 (LO 18:00)
- 定休日:月曜
松本駅へ
帰りの列車も本数があまり多くないので、時間に余裕を持って松本を出発しましょう。
時間に余裕があったら…
松本城は大変人気の城で、今回少し滞在時間を長めに設定しました。もし時間に余裕があれば、こちらの施設もおすすめです。
松本市立博物館
松本城の敷地内にある博物館です。古代から近現代までの松本市の歴史が学べます。松本城の観覧券で入館することができるので、時間に余裕があれば立ち寄ってみましょう。
移転新築に伴い、令和3年4月1日から休館中です。開館は令和5年秋の予定となっています。
松本市立博物館
- 松本市丸の内4-1
- JR「松本駅」より徒歩約20分
- 0263-32-0133
- 8:30~17:00(入館は16:30まで)
- 12/29~1/3 他、展示替えのため臨時休館あり
- 高校生以上:200円、中学生以下:100円 ※松本城の入場券で入館可
- http://matsu-haku.com/matsuhaku/
松本市美術館

松本市出身の芸術家・草間彌生さんをはじめ、松本ゆかりの芸術家の作品を集めた美術館です。美術館前には大きな草間さんの作品があります。コレクションだけでも大変見ごたえがあるので、興味のある方は時間を多めにとって鑑賞すると良いでしょう。
大規模改修工事のため、令和3年4月1日より休館しています。開館はは、令和4年4月下旬の予定です。
松本市美術館
- 松本市中央4丁目2番22号
- JR松本駅より徒歩約12分・JR松本駅よりタウンスニーカー(市内周遊バス)東コース松本市美術館下車(所要約14分)
- 0263-39-7400
- 9:00~17:00(入場16:30まで)
- 月曜日、12/29~1/2
- 【コレクション展示】大人:410円、大学生・高校生:200円
- http://matsumoto-artmuse.jp/
松本市内の移動手段は?
タウンスニーカー(市内周遊バス)

松本市内を循環するバスです。4コースありますが、観光で利用するのは松本城・旧開智学校方面の「北コース」と、中町や松本市美術館方面の「東コース」の2コースになると思います。どちらも1乗車200円、3回以上乗車するなら1日乗車券(500円)がお得です。
使用されている車両の中には、草間彌生さんデザインの車両「水玉乱舞号」もあります。水玉が目を引くので遠くからでもすぐわかりますよ。
レンタサイクル
松本市内は各観光スポット間が遠くとも歩いて20~30分なので、頑張れば徒歩での観光も可能です。
ただし、今回は青春18きっぷで日帰り旅ということで、時間に限りがあります。でも、バスで移動は味気ないなという方におすすめなのがレンタサイクル。松本は急な坂がないので、自転車での観光には最適だと思います。バス移動では気づけない面白い何かを見つけられるかも!
今日は、東京から松本への青春18きっぷを使った日帰り旅のモデルコースをご紹介しました。
ご案内しておいて申し上げにくいのですが、やはり日帰りよりも1泊2日がおすすめです。松本城が混んでいた場合、半日で観光スポットすべてを周りきるのはかなり忙しいですし、何より片道5時間はかなり辛い旅です。最初に書きましたが、体力に自信がない方、腰痛持ちの方には本当におすすめできません。身体とよく相談の上、チャレンジしてみてください。
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